東京の展示会ブース出展で「商談スペース」を設置するときに役立つ知識
展示会への出展には認知度の向上などさまざまな利点がありますが、究極的な目標は新規顧客の獲得です。特に規模の大きな東京の展示会では、未知の顧客層を開拓できるチャンスがあります。展示会ブースに商談スペースを設置すれば、その場で取引をまとめることもできるのでとても便利です。ただし設置に当たっては、いくつか注意すべき点もあります。
そもそも必要かどうかを十分に検討する
展示会ブース内に商談スペースを設けるに際しては、まず設置自体が必要かどうかを十分検討する必要があります。 割り当てられた出展スペースに十分な余裕があれば問題ありませんが、東京で行われる展示会には参加者が多数に上るものも少なくないので、ごく小規模なブースしか設営できないこともあります。
その場合は、無理に商談スペースを作ることで商品や説明パネルなどを陳列するのに必要な空間が削られてしまないように注意します。 また、これは開催の趣旨やテーマにもよりますが、東京の展示会はどちらかというと来場者が広く浅く情報を収集する性質のものが多くなる傾向になります。
そのため、取引について決定権のない来場者や、そもそも会場で商談を行うつもりのない来場者が多く訪れる可能性があります。 こうしたことを踏まえ、商談スペースは空間的な余裕や展示会の性格を事前に検討し、効果が期待できるという結論に達した場合に初めて設置するようにするのが賢明です。
ブース内のどの位置にスペースを設けるか
検討の結果、商談スペースが必要であると判断した後は、具体的な設計作業へと進みます。その際、まずポイントとなるのは展示会ブース内のどこにスペースを設けるかです。
展示内容に興味を持った来場者を商談にいざなうとしても、絶えず人の声が聞こえてきたり、背後を他の来場者が行き交ったりするような場所では落ち着いて対話をすることができません。必然的に、商談スペースは展示会ブース内のある程度奥まった場所に設置することになります。
ただ、一般的な来場者心理として、初めて訪れたブースでいきなり人目につかない奥の方まで足を進めるのは気おくれがするものです。
そのため、小さなブースであれば大して気にする必要もありませんが、広いブースでは入り口から商談スペースまでの動線をきちんと確保し、ストレスなく自然に歩みを進められるような配慮が必要となります。それが難しい時は、案内用のスタッフを常駐させるといった配慮によって補うようにします。
着席形式にのみこだわらなくても良い
一般的な商談スペースは、テーブルをはさんで担当者同士が対面し、一対一で着席しながら話を進めるように設計されています。しかし展示会ブースでは、空間に十分な余裕がないことも少なくありません。その場合は、オーソドックスなスタイルにこだわらず、省スペース化が図れるようなデザインも検討する必要があります。
その一例が、カウンター形式の商談スペースです。小さなカウンターテーブルをはさんで来場者と立ったまま対面できるような設計にすれば場所を取りませんし、来場者側にも気軽に話ができるという安心感が生まれます。
もともと展示会会場で行われる商談は本格的な取引の準備段階として行われるものが多く、その場で契約が成立することは比較的まれです。したがって、短時間の立ち話ができるスペースを設けるだけでも、ある程度の効果を上げることはできます。
十分な広さを持ったブースであれば、まずは出入り口近くのカウンターで簡単な話をして、本格的な商談に進みそうであれば奥の着席スペースに誘導するといった、二段階の設計にする手段もあります。
展示会ブースに商談スペースを設ける際のポイントを一言でまとめると「バランス」ということになります。ブース内の空間的なバランス、展示物のボリュームとのバランスを考えた設計が求められます。東京で行われる展示会には混雑が予想されるものが多いので、人出とのバランスにも注意する必要があります。