展示会におけるブースデザインとブースづくりは何が違うのか?
展示会のブースを計画する際、「ブースデザイン」や「ブースづくり」といった言葉を目にすることがあります。しかし、これらがそれぞれ何を意味しているのかわからない方も多いのではないでしょうか?そこで今回は、ブースデザインとブースづくりの定義の違いについて解説すると共に、ブースをデザインする際に大切なことを紹介します。
ブースデザインとは
ブースデザインとは、何もないスペースから、ブースの基本構造となる壁・展示台の位置や形状などを検討し、ブース全体を設計・構築していくことをいいます。よって、パッケージブースや集合ブースなどのように、すでにブースの形状が決められている場合は、商品を並べたりパネルを設置したりするだけなので、「ブースの装飾」と表現されることが多いようです。
つまり、1からブースの構造などを検討していく場合は「ブースデザイン」、できあがっているブースに飾りつけするだけであれば「ブースの装飾」と覚えておくとよいでしょう。
ブースデザインとブースづくりの違い
では、ブースデザインとブースづくりはどう違うのでしょうか?ブースデザインが、ブースの基本構造の設計を指しているのに対し、ブースづくりとは、ブースのデザインや装飾など、展示会ブースを作るためのすべての工程を総称したものをいいます。壁・展示台の位置や形状、商品の展示方法やパネルの設置場所など、すべてを考慮しながらデザイン性と集客性をあわせ持つブースに仕上げていくのが、ブースづくりといえるでしょう。
ブースデザインで大切なこと
ブースをデザインする際に大切なことは、“企業のイメージが来場者に好意的に映るようなブース”にすることです。そして、“来場者に足を止めてもらえるようなブース”にすることも忘れてはいけません。
たとえ好意的に映る素敵なデザインのブースであったとしても、来場者が足を止めて話を聞いてくれなければ意味がないからです。そのためにも、まずは来場者の気持ちを知って、デザインを考えなければいけません。
■来場者は「つかまりたくない」と考えている
デザインを検討する中で、来場者は「つかまりたくない」と考えているということを意識しなければいけません。自分が服を買いに行くときのことを想像するとわかりやすいと思いますが、お店に入った瞬間から店員がぴったりくっついてきたら、どうでしょう?「他の店も回りたいし、まだこの店で商品を買うかわからないから、つかまりたくない」や「自分のペースでゆっくりと商品を見たいから話しかけられたくない」と思うのではないでしょうか?
これは、ブースでも同じことがいえます。何十社ものブースがある展示会場では、自分の興味がある商品のみを見たいし、興味のあるブースからだけ声掛けしてもらいたいと思っている来場者がほとんどです。そういったことを考えると、来場者がどこのブースの中にでも簡単に入っていくことはないでしょう。お目当てのブースではなかったのに、“気が付いたら中に入っていた”というようなデザインにすることが重要です。
■一瞬で来場者の興味を引く
展示会場の通路を歩いていて、来場者がブースの前を通り過ぎるのにかかる時間は、ほんの数秒です。しかも、前後左右には他社のブースがあり、自社ブースを見てもらえるのは、ほんの一瞬でしょう。そのほんの一瞬で、このブースには興味を引く「何かがある」と思わせなければいけません。
このように、来場者にどう行動してほしいかを考えながら、来場者の気持ちになってデザインしていくことがブースつくるうえでもっとも重要な要素といえます。
今回は、ブースデザインとブースづくりの定義の違いについて解説すると共に、ブースをデザインする際に大切なことを紹介しました。ブースは、来場者の興味を引き、足を止めてもらえるようなデザインでなくてはいけません。そのために必要なのは、来場者にどう行動してほしいかを考えながら、来場者の気持ちになってデザインしていくことでしょう。人の心理を理解し、心地よい空間をデザインすることともいえるかもしれません。