展示会ブースでの接客のポイントを解説
展示会ブースを開設して、見た目の装飾も良く、来場者が足を止めてくれるようなブースを作れたとしても、そこから商談、取引に結び付くかは、接客を担当する担当者次第です。展示会での接客は通常の営業活動とは違うため、展示会独自の接客手法を頭に入れつつ対応し、ゆくゆくは自分だけのやり方を見つけましょう。
基本的には待ちであると心がける
営業やセールスの方たちが外部に営業活動をおこなう際には、飛び込みであったり、アポイントを取ってお客様のもとへ行くというのが基本だと思いますが、展示会では違います。展示会では来場者の方が、足を止めてくれて初めて会話が始まると考えましょう。
もし、あなたがキャラクター的に人々を引き寄せるのが得意なのであれば、展示ブースの前面に立って接客をすることも非常に効果的ですが、大半の人はそのような方法よりも、しっかりと通行してくれる来場者へ挨拶したり、ディスプレイを手直ししながら、足を止めてくれるのを待つことが効果的です。
待つからといって、携帯電話を触っていたり、隣のブースの方と雑談していてはいけません。それだけで来場者にはかなりのマイナスイメージとなり、足を止めてくれることも減ります。まずは、来場者に少しでも足を止めてもらいやすい雰囲気づくりを念頭にしましょう。
展示会では売り込むのではなく聞きこむ
お金と時間をかけて展示ブースを設営し、人も用意したので、少しでも自社商品を売り込みたい気持ちはわかりますが、焦ってはいけません。展示会に来場している方のほとんどは、自社の悩みを解決するためであったり、新技術を見たいという方です。
まず、ブースに来てくれた方には、今現在の来場者の方の会社では、どのような悩み事や改善事項があるのかを聞きだしてください。そこで自社製品やサービスがどのように問題解決に役立つのか、新技術によって既存の生産性がいかに改善するのかを提案するようにしてください。
展示会では数多くのブースが設営されているので、来場者は一つでも多く回りたいですし、一つでも多くの結果を持ち帰りたいのです。その時に、自社製品の紹介に時間をかけられていては、どれだけ良い製品やサービスがあったとしても、印象は悪くなるばかりです。
まずは、しっかりと相手の話を聞き、そこから自社が提案できることを話す、このプロセスをしっかりとしてくれるだけで印象はよくなります。相手の立場に立って、自分主体の接客は展示会では好まれません。繰り返しますが、しっかりと話を聞いて問題点を探りましょう。
展示会後の営業活動までも見越しておく
よく、展示会で名刺をたくさんもらえた、アンケートをたくさん集められたというだけで満足している方を見かけますが、その方々のほとんどがその後の取引には結びついていません。
なぜなら、名刺交換やアンケートをもらうのが目的となっているからです。それでは、当然のことながら相手にも覚えてもらっていないし、自分もおそらくそれぞれの方を覚えていないのではないでしょうか。
せっかく名刺を配るのであれば、名刺にコメントを書き込みましょう。例えば、経理ソフトについてご紹介させていただきました。と書いておくだけでも、名刺整理をする際に思い出してくれます。また、いただいた名刺にもコメントを書き込みましょう。経理ソフトでお困り。これだけで大丈夫です。
展示会以降、アポイントを取ることがあるかと思いますが、その際に見当違いなメールや電話をしてしまう人がいます。これでは、せっかくの展示会に出展しても全く意味がありません。展示会当日ももちろん大事ですが、その後の営業活動を見越しておくことも非常に大事なことです。
展示会ブースでの接客の手法をまとめると、まずは待ちであるということをしっかりと認識することが大切です。また、待ちであっても来場者が足を止めやすい雰囲気づくりを念頭に置いておきましょう。
次に、売り込むのではなく、聞きこむことを考え、顧客のニーズや問題点、不満点、不足点などをしっかりと聞きこみ、そこから自社製品の紹介や解決策の提案をおこなうようにします。最後に、展示会当日だけでなく、展示会以降の営業活動を見越し、来場者の印象に残ってもらえるように、接客内容も記録にしっかりと残すことを心がけましょう。
展示会に出展することが、企業の目的ではありません。自社の製品やサービスを広く認知してもらい、購入してもらうことが目的なのです。その部分を勘違いせずに、基本の接客手法を念頭にご自身のやり方を見つけていってください。